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前立腺癌

前立腺癌はアメリカではすでに男性のがんの1位となっており、日本でも2025年には1位になるといわれています。最近では、腫瘍マーカー(PSA)による前立腺がん検診も普及しており、一般的にはPSAが4-10ng/mlでは30%前後、10-20ng/mlでは40%前後、20ng/ml以上では80%以上が前立腺癌の可能性があります。診断方法には、PSAの他に直腸診・超音波検査・MRIなどがあり、確定診断をつけるには針を刺して組織をとる検査(前立腺生検)が必要となります。
前立腺癌は骨やリンパ節に転移しやすいので、診断がついたらCTや骨シンチで遠隔転移の有無を評価します。転移がなく比較的お若い方には手術や放射線治療が選択されることが多く、手術は現在ロボット支援前立腺全摘除術が標準手術となっています。転移がある、またはご高齢の方には薬物治療(ホルモン療法)が中心となり、当クリニックでも多くの方が行っております。

膀胱癌

尿をためる袋である膀胱にできる癌を膀胱癌といいます。中高年以降の男性に多く、タバコを吸われる方に多いことでも知られています。症状として一番多いのは血尿で、痛みを伴わない肉眼的な血尿が出ると要注意です。一度血尿が出た後自然に収まることも多く、再度血尿がでた際には膀胱癌が大きくなっていたということもありますので、尿潜血を指摘された場合や肉眼的な血尿が出た際には早期の泌尿器科受診をお勧めします。受診された方は、尿検査・超音波検査・膀胱カメラなどで診断をつけますが、当クリニックでは尿の自動分析装置で迅速に測定したり、柔らかい膀胱鏡で痛みを最小限にできるよう工夫をしています。
膀胱癌が見つかった場合は、通常内視鏡手術(経尿道的膀胱腫瘍切除術)の適応となります。手術の目的は2つあり、膀胱癌を切除することに加えて、癌がどこまで根を張っているかを調べます。根が張っていた場合(筋層まで浸潤していた場合)は追加治療が必要で、標準治療としては膀胱全摘・尿路変更術となりますが、年齢・進行度・体力・余病などによって、抗がん剤治療・放射線治療などを組み合わせて治療することになります。

腎癌

昔は痛みや血尿で見つかることもありましたが、最近では検診や人間ドックで偶然見つかることが多い癌です。診断は超音波検査やCT検査で行い、治療は手術が基本となります。以前は腫瘍の大きさにかかわらず”全摘術”が基本でしたが、最近は小さな癌の場合、癌の部分だけをくり抜く”部分切除術”が増えてきています。手術方法には開腹手術と腹腔鏡手術がありますが、近年では体への負担の少ない腹腔鏡手術が広まっており、当クリニックの院長もこれまでに500例を超える腹腔鏡手術および約100例の腹腔鏡下腎部分切除術の経験があります。すでに転移している場合は、手術・薬物治療(分子標的薬・免疫治療)・放射線治療などを組み合わせて治療を進めますが、近年腎癌に対する新しい薬も続々と開発されており、効果が期待されています。

腎盂尿管癌

腎臓で作られた尿が集まってくるところを”腎盂”といい、その下の通り道を”尿管”といいます。これらの腎盂尿管にできる癌を”腎盂尿管癌”と呼び、膀胱癌も含めて”尿路上皮癌”と総称されます。肉眼的な血尿や背中の痛みで見つかることが多く、見つかった時にはすでに進行していることも多い癌です。尿検査・超音波検査・造影検査・CT検査などで診断をつけますが、疑いのある場合は尿管のカメラ(尿管鏡)が必要となります。転移がない場合は手術(腎尿管全摘術)が基本で、転移があった場合は抗がん剤治療・手術・放射線治療・免疫治療などを組み合わせて治療していきます。

精巣癌

他の泌尿器がんと比べて、20台・30台の若い方に多い癌です。痛みを伴わないで陰嚢が大きくなってきた場合には精巣癌の可能性がありますので、恥ずかしがらずになるべく早めに泌尿器科を受診してください。診断は超音波検査や腫瘍マーカーの採血で行い、治療はまず手術(高位精巣摘出術)となります。初診時にすでに転移していることも少なくありませんが、抗がん剤治療がよく効く癌なので、比較的高い確率で治癒が望めます。未婚の方で今後挙児希望がある際は、抗がん剤の前に精液保存をする場合もあります。

陰茎癌

発生頻度は10万人あたり0.2人と稀で、60台のタバコを吸われる方に多い癌です。典型例では、カリフラワーみたいな腫瘤を形成しますが、湿疹や潰瘍で見つかる方もいるので、塗り薬でなかなか治らない時は泌尿器科受診をお勧めします。比較的進行が遅いことが多いですが、恥ずかしがってなかなか受診せず、転移してから受診するケースも多いので注意が必要です。治療は早期癌であれば手術、進行癌であれば放射線治療や抗がん剤治療を組み合わせて治療します。